我々歯科医療にたずさわっている者が何気なく使っている言葉の中には患者さんにはわかりづらいものが多くあります。説明をする際にはなるべくわかりやすい言葉で、時には図など用いて行うようにしています。
治療中も質問がしやすい雰囲気づくりに努めています。
永久歯を抜いてしまうと後から歯は生えてきません。治療方針を立てる時には大切な永久歯をなるべく抜かずに治療できる方法はないかを検討します。
歯のガタガタがひどく、歯を並べるスペースがどうしても足りない場合や、歯自体が大きく顎の大きさと歯の大きさとのバランスが取れていない場合、また、歯を引っ込めるためのスペースがなく、止むを得ず歯を抜く場合はその理由を説明します。
上の顎の成長する時期と下の顎の成長する時期は違います。
成長期の患者さんには、上の顎、下の顎の成長に合わせた治療を行います。
不良習癖(顎の成長に悪い影響を及ぼす癖)があれば取り除くトレーニングを行います。
院長が大学で行った調査では、中高生の咬合面積(咬んだ時の上下の歯のあたる面積)、咬合力(咬む力)を計測したところ歯並びの悪い人は咬合面積が少なく、咬合力が小さいことがわかりました。
物を咬むということにはいろいろな要素が絡んできますが、上下の歯の咬合面積を1つの指標とするならば、当然面積の大きい人の方がしっかり咬めることになります。
しっかり咬むことによって食物は消化吸収されやすくなることは説明するまでもありません。
しっかり咬める環境を作ることが大切だと考えています。
また、院長が大学で行ったラットを用いた動物実験では、柔らかいものばかり食べて(あまり咬まずに)成長した顎の関節は硬いものを食べて成長した関節より小さいことがわかり、その後の口の中の変化(実験では抜歯)に対して下顎頭軟骨(下の顎の関節の表面を覆っている組織)の反応に違いがみられました。“ 咬む ”環境を整える矯正治療は決して見た目だけの治療ではないということです。
永久歯が生えそろった方の検査には下の顎の動きの分析、筋電図、関節内の雑音検査など顎の機能を確認する検査も行い、顎の機能も考慮した矯正治療を心がけています。